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Index[Diary]本(読書) 『つめたい花』 

『つめたい花』

予想通り重い話。
前作から1年と2ヶ月。待ち焦がれていた続編というか主役交代作品。約一年ほど前、オンちゃんとヒロキの話が読みたいとブログに書いてからずっと待ちわびていた続編。

『真夜中の匂い』の未明と棚橋の、未明が疲れるくらいぶつかって行く恋愛とは対照的にどちらも一歩が踏み出せず、じれったい恋愛。じれったさはある意味しんどい。ストレートに確かめることを怯えるあまり、互いに誤解していて、どんどんドツボに嵌って行く。ヒロキはマイナス思考だし、優しすぎるオンちゃんははっきりとしたことを言って安心を与えるわけではなく、優しくされて癒されているヒロキにはやはり不安が付きまとう。
未明がお節介とも言えるかもしれないが、マイナス思考のヒロキと優しすぎるオンちゃんの二人には必要なくらい、ヒロキをけしかけるが、短絡的なところがあり、マイナス思考の持ち主ヒロキにはマイナスに働くこともあるが、未明の存在なくしては物語が進まないような気がする。

『真夜中の匂い』では緩やかな雰囲気があると思ったが今回の『つめたい花』は緩やかというよりも凪いでいる。ヒロキの過去は重いものだが、やはり恩田の掴み所がないのと、なかなかマイナス思考から抜け出せないヒロキの感情は激しさとは無縁なようにも思える。
感情を喪ったヒロキと優しすぎて、面倒くさがり屋で本当に人を好きになったことのない恩田。似たもの同士であり、まだ恋愛未経験の子供のようなもどかしさがある。

しかし、いくらぶちきれたからと言っても「一晩50万」発言は行き過ぎなような気もする。年単位で過去のことは過去として処理できるだろうが、昨日、一昨日のような最近の過去を包み隠さず恩田に言ってしまう神経はいただけない。元は恩田の結婚に自棄になり、やってしまったことだったとしても本人に告白したり、おしつけられた50万を金持ちだから今更50万くらい増えたところでどうってことないだろうと未明に押し付けようとするのは失礼にも程がある。
それでまでは恩田の立場などを考えて、負担にならないようにと怯えていたのに、恩田への告白はヒロキ自身「叱られたいだけ」とか「全てを知って欲しい」とか「秘密は耐えられない」と自覚した自己満足的なものになっている。

勝手にやってろと思っていた未明と棚橋カップル。相変わらずだが、距離は確実に縮まっていることが台詞の端々から伝わってくる。
未明と棚橋カップルを羨ましがるヒロキだが、ヒロキと恩田カップルのほうがもっと暖かいものになるような気がする。

参照:『つめたい花』榊花月
関連:『真夜中の匂い』榊花月|『真夜中の匂い』

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Index[Diary]本(読書) 『傲慢な愛は台詞にのせて』 

『傲慢な愛は台詞にのせて』

強気攻と弱気受。こういう強引な攻は好きだし、コンプレックスがあり、悩んでいるけどその悩みが恋愛で吹っ飛んでいる印象があり、ジメジメしてなくていいい。これから兄・秋司の問題があるだろうし、宣伝のためのスキャンダルがあるかもしれないけど、この二人ならなんとかやって行けるんじゃない? という気にさせられる。
個人的には秋司ひびきに食われるより、廉くんあたりに追いかけられたほうが面白いかもしれない。秋司が廉を追いかけるより、ああいう冷静な男が追いかけられてあたふたしているほうが好みだ。それに秋司が追いかけると大志・亮カプと似た印象を受けるような気がする。
根堀葉堀大志とこのことを訊き、亮を揶揄おうとする秋司。しかし廉に追いかけられ、それどころじゃなくなる……なんていかなぁ、と。これでも最初はひびきさん相手にてんてこ舞いになるのでもいいかなぁ、と思っていたが、廉くんが可愛く思えて仕方ない。それにひびきさんってどうも読み進めて行くと●木瞳さんの印象を受けてしまった。

関連:『傲慢な愛は台詞にのせて』 いおかいつき

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Index[Diary]本(読書) 『作る少年、食う男』 

『作る少年、食う男』

架空想定した世界を舞台の物語とこの作家にしては珍しい設定に惹かれたのだが、お得意(?)のドクター(しかも得意中の得意? の検死官)モノ。ちょっと期待しすぎていたかもしれない。全体的にはほんわかした雰囲気。個人的に「鬼籍通覧」シリーズが好きだからもっとしまった雰囲気がこの作家では好みなのだが、もっとハル&ウィルフレッドを読んでみたいと「旦那様の休日」と読んでいて思うようになっていた。
ウィルフレッドの過去も気になるし、ハルの出生にかんすることも片付いていないし、なにより執事・フライトが気になる。彼みたいなタイプが男に追いかけられて、おたおたしている姿を見てみたい。冷静だったり、余裕だったり、女性関係が派手だったりするのに、追っかけてくる男には弱いというパターン。おいしいそうだなぁ。妄想が膨らみすぎ。
ウィルフレッドとハルカップルは始まったばかりで、楽しい雰囲気だけど、これまでのことを考えればこれから先が大変なんだと思うのだが、無理にぐちゃぐちゃになるところを見たいとは思わない。しかし続きは読みたい。なんとも難しい葛藤がある。

関連:『作る少年、食う男』 椹野道流

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Index[Diary]本(読書) 『紅蓮の炎に焼かれて』 

『紅蓮の炎に焼かれて』

隆一の狡猾さゆえの滑稽さがあるものの、醜さ、不気味さが勝っている。和希のことを「好き」という気持ちよりもただの所有欲、略奪欲でしかないと思える。
表面上は清己の凄さを賞賛するような態度を取り、周囲の人たちに「出来た人間」とアピールしているが、その奥ではコンプレックスを刺激され、清己を見返すために真っ直ぐに努力すればいいものを捻くれて清己の大切な者、弟の和希に手を出したり、激昂した清己に刺されたときも人の良さそうな感じで実は和希に兄を犯罪者にしたくなかったら自分のものになるようにと持ちかけるあたり、気持ち悪いくらい嫌悪感が沸いてくる。それでいて「愛してる」とか言っちゃうわけだし。そんなの「愛」なわきゃない。ただの自分のプライドを満たすためだ。
また和希と清己が再会してからの隆一の行動も反吐が出る。自分が調べるから会わないようにと和希に言ったり、清己を陥れるため、敵対するヤクザを使おうとしたり。本当は古くからつながりがるヤクザなのに、あたかも最近被害に遭っているかのような態度。人としていかがなものか。

兄を好きになってしまった故、隆一の罠に嵌ってしまった和希。そして弟を愛してしまった故、自分の判断に自信が持てなくなった清己。
「兄」のことを持ち出されると弱くなる和希だが、その「兄」に対しては何度拒まれても諦めず、強く攻めていく。一方他人には強い清己だが、和希本人には弱い。「ワレナベニトジブタ」そんな感じ。一〇年+αの思いを勝手にぶつけてって感じ。

関連:『紅蓮の炎に焼かれて』 愁堂れな

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Index[Diary]本(読書) 『夢のころ、夢の町で。』 

『夢のころ、夢の町で。』

とにかく勇太の岸和田時代の話がからむものは暗く、痛い。今回は極めつけって感じ。
「家族」とはなにか解らない秀が「家族」を欲しがり、勇太を養子に迎え入れるが、やっぱり解らない。「家族」が理論や理屈じゃないってことさえも解らない。紙切れ一枚でどうにかなるものでもないのに、それにも解らない。
荒れている日常が「普通」だった勇太を不安に思うのも解るし、どうにかしてあげたいと思う秀の気持ちも解る。しかし以前の荒んだ生活以上に「解らない」状態の秀を暮らすことのほうが勇太には不安だったんじゃないだろうか。一方で、父親から離れることを欲していたため複雑な心境だっただろう。しかもまだ子供だし、秀が何を欲し、どうすればいいかなんてすぐには気づかないだろう。ある意味罪なことを秀はしたと思う、その反面救ったとも思う。

「今はまだ」と「夢の途中」では真弓が大人になったな、としみじみ思った。大河にずっと背負わせてしまった背中の傷のことを謝罪したり、勇太を大きく包んだり。もう「まゆたん」ではない。
だがどれだけ真弓がもういい、と望もうとも、大河には真弓の背中の傷を自分の荷物のなかから降ろすこともないし、明信や丈が真弓が両親のことを覚えていないことに負い目に似た気持ちを感じなくなる日はこないだろう。

関連:『夢のころ、夢の町で。』 菅野彰

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Index[Diary]本(読書) 『そのわけを』 

『そのわけを』

別に「好き」に理由は必要ないと思う。何か惹かれる。それで充分だが、この「そのわけを」は全体的に物足りない。登場人物が多い所為かもしれないが。

まず当て馬というか横恋慕&復讐を企んでいた志野原弟の存在が中途半端。倉方の暗い過去のひとつであるはずの志野原兄のが弟にも増して中途半端。どうして倉方が他人を信じられなくなったのか、その一旦を担っていて、過去の男でもあるはずなのに、最後のほうにとってつけたように倉方の口からあかされ、あっさりしすぎている。あれだけ頑なだったのに、もっとじっくりと書いて欲しかったエピのひとつだ。ここが深ければもっと志野原弟のエピが生きてきたような気もするし、倉方がキレたり、志紀が投げやりになったりするところももっと生きてきた気がする。

志紀が自分の思いをひた隠しにしていた相手とのエピももっと志紀の心に影を落として欲しかった。果たして倉方に惚れることによって志紀は救われたのだろうか。初っ端の落ち込み、荒れ具合から考えると変わり身が早すぎるんじゃないか、とも思える。
待たされるのは辛いけど、ある程度の長編でじっくり書き進めて欲しい物語だし、作家だ。

参照:『そのわけを』 榊花月

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Index[Diary]本(読書) 『本気で欲しけりゃモノにしろ!』 

『本気で欲しけりゃモノにしろ!』

日曜に発掘した本。高校時代編を除く五冊を読む。

やっぱり物足りない。二人の関係はこれからどうなるのかというのも気になるが、全体的に気になる。やっぱり昔のBL風味じゃなく、昔のJune系統のものを発掘して読むか。

全然恋愛を前に押し出したものじゃなく、何か事件が起こり、ちょっとずつ二人の関係が変っていくというタイプの作品。恋愛に対してのもどかしさというものが一切ない。事件に対するもどかしさが多い。
特に前後編になっている『伝心パスワード』は続きが気になって気になって仕方がない。
もっと気になっているのは今後の二人なのだが、このあとは出ないのだろうか。

関連
『本気で欲しけりゃモノにしろ!』深沢梨絵
『ベイビー・ステップ』深沢梨絵
『微熱ベーゼ』深沢梨絵
『伝心パスワード』上 深沢梨絵
『伝心パスワード』下 深沢梨絵

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Index[Diary]本(読書) 『真説の日本史 365日事典』 

『真説の日本史 365日事典』

一日一ページ。
読みやすく、教科書に載っていないようなところまで取り上げられている。だが如何せん限りがある。もう一歩突っ込んだところまでは書かれていない物足りなさがある。ここから自分で調べるという選択があるが。
歴史に興味を持つきっかけにするには丁度いい一冊だ。苦手でも、一年かけて読めばいいのだから。

参照:『真説の日本史 365日事典』 楠木誠一郎

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Index[Diary]本(読書) 【BL×B.L.TB企画】BL×B.L.Award2004 

【BL×B.L.TB企画】BL×B.L.Award2004

昨年中に書いておこうと思ったのに気づけば年が明けていたエントリ。
BL×B.L.のTB企画第七弾「BL×B.L. Award 2004」2004年に発行された本の中でよかったと思うもの。
一年あっという間で、手元にある本のどれが2004年発行の本なのか自信がない。

切ないで賞
『籠の鳥はいつも自由』松前侑里/金ひかる(ディアプラス文庫/新書館)
主人公のどちらかが死ぬという死にネタではないが、死んだ彼が忘れられず……という個人的には好きなパターンだ。年の差にやられ、素直じゃない受けにもやられ、大変満足した一冊。

あと一歩で賞
『夏の雨と天使の庭』菱沢九月/金ひかる(ラキアノベルス/ハイランド)
これも主人公のどちらかが死ぬという死にネタではないが、二人が出会うきっかけになっている。個人的にはようやく動き出したという感じなので続きが気になる。ここで終りとは思えない一冊だ。

認めま賞
『真夜中の匂い』榊花月/紺野けい子(クリスタル文庫/成美堂出版)
青春だな、と。棚ちゃんはしっかりと未明が好きだと認識して欲しいな、と。
こういうぼやけた感じが好きなのだが、いずれははっきりと認識して欲しい一冊。でも続編は主役二人より、脇役二人のほうが読んでみたい。

頑張ったで賞
「抱きしめたいシリーズ」榊花月/高橋悠(シャイノベルス/大洋図書)
ようやく完結させてくれてありがとうございます。
もう永遠に完結されないか、と思っていたため、怒涛の発刊にも喜びの悲鳴をあげながら購入。結末的には一〇年、否、五年前なら納得できただろうが、突拍子のない展開に、現実を思いっきりつきつけていった感じなので微妙だ。でも終わったということでホッとした。

頑張ったで賞・番外編
『夏の残像』『隠された庭』ごとうしのぶ/おおや和美(ルビー文庫/角川書店)
タクミくんシリーズ。2004年は二冊も発刊された。ここ近年、年一冊ペースだったのに、二冊も出たことに驚き。ということで、失礼だと解っていても「頑張ったで賞・番外編」

お気に入りで賞
『君はスター』紺野けい子(ダリアコミック/フロンティアワークス)
捻くれている受けは好きだ。そのヒトコトに尽きる。
紺野先生の作品はセリフのヒトコトヒトコトに重みがあって、ツボをついてくる。
総評
死にネタが絡んでいるものは結構残っているものだな、と。
でもって実は積読が多いので読了するように頑張ろうかと。
BL×B.L.TB企画参加

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Index[Diary]本(読書) 【BL×B.L.TB企画】辞められない作家買い 

【BL×B.L.TB企画】辞められない作家買い

「辞められない作家買い」というテーマなのに、実は自制しているのでコンプリ作家がいない。
けどそれじゃあエントリが書けないので本屋で見たらついつい手をのばして確認してしまうものも含めてみようかと。
その前に一時期、物凄い勢いで作家買いしていた人たちが居るので、そちらを。

一時期コンプリしていた作家(50音順/敬称略)
 大槻はぢめ 
1999年くらいまでのなら全て揃っているはず。30分くらいで読めてしまうため現在では購入しなくなった。(って本屋で見かけたらついつい手にとるじゃないじゃん)
 小川いら 
コメディなからシリアスまで安心して読めるためついつい買ってしまう。初めて買ったのは高校生モノ。でもこの人の年の差モノが好き。
 ごとうしのぶ 
タクミくんシリーズが大半なのでほぼコンプリという感じ。シリーズ以外の数冊も本棚を見ればあった。この人の場合、ここ近年寡作だからコンプリに近いというだけなのかもしれない。
 小林蒼 
数冊抜けているためほぼコンプリに近い作家。受が天然だったり、脳みそ足りてなかったり、とにかく可愛い。が、女々しかったり性別受という感じでもない。
 榊花月(神谷凪/日塔夏子含) 
当時(1990年代後半)、同一人物だとは知らず買っていた。あの頃、切なくて救いようのないものが好きだったようだ。今でもあの緩く、救われそうにない雰囲気が好きだ。ちなみに三浦煌名義のものは一冊もない。
 菅野彰 
BL・非BL問わず、文章が読みやすくて集めてしまった人。やはり「毎日晴天シリーズ」は秀逸。「屋上の暇人ども」もかなり気に入っている。なんで一度手放したのか。現在地道に集めなおし中。
 遠野春日 
初期のころの作品が好き。特に『夢の続き』「キケンなシリーズ」は切なくてツボ。オムニバス形式っぽい『ラブラブラブ』も面白い。最近は発刊ペースについていけず、あらすじを読んでから気に入ったものを購入。

コンプリしている漫画家(50音順/敬称略)
 金ひかる 
BLと言っていいのだろうか。「HAPPY HOUSINGシリーズ」がお気に入り。ギャグかと思えばシリアスになったり、飽きない。
 紺野けい子 
言わずもがな。心に残ることばがどの作品にもある作家。とにかく登場人物に人間味があり、惹きつけられる。安心して読める。
 四位広猫 
BLっぽいものを二冊ほど出しているという記憶しかない。どちらかというと少女漫画のほうが多い。重いテーマも有り、シリアスなものが多い。

コンプリ予定の漫画家
 山田ユギ 
言わずもがな。登場人物の魅力と物語の雰囲気がツボ。初期の頃の単行本が入手できず、未だコンプリできず。
 総評 
自分の蔵書を把握できていないのに、このエントリを書こうとしたことが間違いだったのか。
本は増殖する生き物だと思っている。気づけば増えていてたちが悪い。一番悪いのは律儀じゃない自分の性格だが。
BL×B.L.TB企画参加

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Index[Diary]本(読書) 『ブルータワー』 

『ブルータワー』

数十ページ読んで、打ちのめされた。果たして3cmの厚みがあるハードカバーの角で殴られる衝撃とどちらがダメージを受けるだろう。

精神的ダメージは前者、肉体的ダメージは後者。そんなことはどうでもいい。
今まで石田衣良という作家を読むとき「現代」「日常」「現実」が大前提にあった。あらすじも読まず、あとがきも読まず、根拠のない大前提だけの状態で読むと、激しい衝撃を覚える。
「現代」と「未来」の切り替わりがある時点でいつもと違うぞ、となった。
「IWGPシリーズ」(外伝含む)や『エンジェル』も多少は「現実離れ」しているところはあるが「非現実」ではない。
「IWGPシリーズ」は「現実離れ」というより「非日常」に入る人も居るだろうという類でどこにでもいる青少年たちの日常だし、『エンジェル』は少し「非現実的」かもしれないが、精神世界を信じているひとならばそれも「現実」なんだろう。
しかし『ブルータワー』は「現代」であり「非現代」でもあり、「日常」であり「非日常」でもあり、「現実」であり「非現実」でもある。末期がん患者として苦しむ姿は紛れもなく「現代」「日常」「現実」だが、二十三世紀の世界には一切感じない。こういう世界を氏が描くとは思っていなかったため、かなり驚いた。

初め二十三世紀の世界は馴染めず、読むのに苦労した。どうも最近「現代」「現実」特に「現代」ばかり読んでいたためであり、苦手というわけじゃない。
読み進んでいくとどちらの世界でも「生」と「死」が強烈に出てくる。二十一世紀で「死」に直面している主人公の周司自身が「生」に固執しているというよりも、二十三世紀の人類に対して、どうすれば生き延びられるのかを考える。個人の生死ではなく人類の生死。スケールが大きい。

二十一世紀・二十三世紀共に調子のいい「妻」に吐き気を覚える。特に二十一世紀での妻は自分のことを棚に上げて旦那を責めるのには開いた口が塞がらない。
基本的に「不倫」は嫌いだ。旦那が末期がんで、手術も無理で、支えていくのは確かに大変だろう。残されるのも辛いだろう。誰かにすがりたいという気持ちは解らないでもない。だからと言って不倫をして開き直って、でも旦那が別の人を頼ろうとするのは厭だというのはワガママすぎる。
挙句に財産。浅はかだ。だから余計に周司や二十三世紀の人類の生死の重みが際立つ。

氏のこういう物語もいい。何より、SFっていいもんだな、と思わさせられた。日本人が描くSFもすてたもんじゃない。

参照:『ブルータワー』 石田衣良

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Index[Diary]本(読書) 『EASYな微熱』 

『EASYな微熱』

出会いは今から六年前の夏。平積みになっている頃、あらすじが気に入って購入した。この本がきっかけで金ひかるサンの絵師買いが始まった。

まず断っておきたいこと。コダの小説の買い方は元々は内容重視で買い漁っていたし、今でも基本はそれ。一時期「作家買い」もしていたが、そうなるとスペースと財布に優しくないということでやっぱり内容重視に戻った。が、未だ辞められないのがジャケ買いや絵師買い。個人的にジャケ買いと絵師買いの違いは、ジャケ買い……絵師が誰であろうと惹かれた表紙なら買う。絵師買い……特定の絵師が挿絵をしているから買う。
こんな具合。作家買いの基準は文章が読みやすい。それだけだった。今でも大したこだわりがなく、題材は無節操と思えるくらい何でも読む。

『EASYな微熱』は無欲・無関心・無感動の伊佐と、その彼を変えようとする朝比奈に惹かれて買った。ほどよい切なさと、ゆったりと流れる時間が好きで、作品の雰囲気とイラストが合っていた。否、合いすぎていたのかもしれない。エロシーンのイラストを見たとき、はまり込んでしまった。
それまでにも金ひかるサンが挿絵をしている小説は買っていたし、漫画も蔵書の中にあった。が、それはその小説や漫画が気に入っていたためだった。
が、色っぽさにやられ、その後内容も確かめず絵師買いするようになってしまった。

強烈な思い出の一冊だからだろうか、伊佐の反動とも言える執着と朝比奈の葛藤・天然っぽいところを強烈に覚えている。
伊佐の執着はよくあるタイプのドロドロとした固執ではなく、「無」の世界から「朝比奈」がすべてになって、朝比奈が言うからやる、みたいな感じ。決して束縛したり、強要しているところはない。だた淡々と「俺のモン」を口にするくらいなのを終盤まで持っていっている。
だから朝比奈は自分がもっと広い世界を見ろと言ったのに、実際伊佐がそうすると不安になり、葛藤する。大人なようでいて、実際はまだまだ子供。というより天然っぽく抜けていると言ったほうがいいのかもしれない。
終盤、静かに闘志を燃やし、朝比奈を束縛しようとする伊佐が少しだけ成長したと思えた。
「好き」や「愛している」ということばより「色」で自分の中の朝比奈を表現する伊佐に「無」は一切感じない。
最後、伊佐とは対照的に吸い取られていく朝比奈も印象深い。

参照:『EASYな微熱』 火崎勇

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Index[Diary]本(読書) 『甘い探検』 

『甘い探検』

何度も読んで、どんな内容だったか覚えているのにどうしてもどっちが攻で、どっちが受なのか思い出せない。いつもそんな感じだ。
エロシーンよりも、自分たちの気持ちを受け止めるまでの過程が楽しい作品なので、どっちだろうがどうでもいいという感じ。

征祐と一志、どちらにも彼女が居て、その彼女たちのカレシ自慢がきっかけで知り合うことになる。
まず正直言って、彼女たちの「カレシ自慢」にはついていけない。というかその神経が解らない。友人のカレシと自分のカレシを比べて優越感を感じたいと思う感覚が解らない。他人と比べて、勝っているから幸せと思うようではもうそのカレシのことを好きなんじゃないと思う。自慢したい気持ちは解るが、比較する無神経さが解らない。比べられた友人のカレシにも失礼だし、自分のカレシにだって失礼だ。この作品はBLに女性キャラが出てくることを好まない人は堪えられない物語だろう。
特に征祐の彼女は男の基準が「学歴・容姿」で、「カレシが居る」ということに優越を感じているようなタイプだ。

また動物好き、犬好きには涙、涙、涙のシーンがある。動物を間に擬似家族というか擬似夫婦みたいな雰囲気のある(あくまで雰囲気で実際はそんな意図はないと思う)シーンがあったり、勉強の合間にキスをしたりというのがあるが、三分の二はダブルデートに進路に彼女たちのことという印象が強い。(実際にそれぞれの要素を書き出し、割合を出したわけではなく、あくまで印象だ)
BLといえばBLなんだろうけど青春小説の恋愛要素が同性だったというだけのような気がする。
よく○○と▲▲は幸せになって欲しいと思うが、これは互いの寛容さに赦され合って、なんだかんだと幸せにやっていくんだろうな、と思えるので特に「なって欲しい」ということばは出てこない。

参照:『甘い探検』 うえだ真由

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Index[Diary]本(読書) 『ランチタイム・シンデレラ』 

『ランチタイム・シンデレラ』

シンデレラストーリーの定義は何なんだろう。
表題の意味はそのまま時間制限があるという風に受け取ったのだが、あらすじの「シンデレラストーリー」はどの部分を指しているのだろうか。
これもいわゆる「再会モノ」。個人的に一度つき合ってなんらかの事情で別れて、またつき合い始めるという再会モノが好物なのだが、意識したまま別れた再会モノというのも悪くない。

高校時代は憧れのほうが強く、はっきりとしていなかったが、恭祐にキスをされ、避けられて傷つき、恭祐のことが好きなんだと気づく至。
よくある攻が大人っぽくて、カッコイイ良くて、クラスの中心的存在で、友人が多いタイプ。それに対し、受は自分は平凡だと思っていて、攻に憧れていて、自分なんてと思っているタイプ。だけど実際の攻は臆病で大人じゃなく、むしろガキだし、受だって平凡と思っているのは自分だけで、周囲に攻曰く「とりまき」が居るようなタイプだ。
強引なところがあるかと思えば、情けない一面もある恭祐に対して、至は一貫して芯の強い性格をしている。

おまけに恭祐の子供っぽさ、至の負けず嫌いな性格を表しているのが「バイシクル・ランデブー」「ラブ・ツーリング」。
特に「バイシクル・ランデブー」は恭祐のために、と彼が出張中にむきになって自転車の練習をする至に対し、出先から至に連絡がつかないことに苛立ちを感じ、浮気していたと勘違いしてキレる恭祐がお気に入りだ。
恭祐が出張の間、どうやってすごせばいいのか解らず考えている姿もいいが、彼からのプレゼントに乗れるようになって驚かせたいと練習し始める姿はいい。
恭祐が帰宅するからと、彼のためにすき焼きを作ってやろうとしているのもいい。
そして短絡的な思考で至に怒られている恭祐をいいと思ってしまうのは末期症状なんだろうか。

恭祐に対して完璧なかっこよさを想像して読むと裏切られる。大人っぽさやエリートっぽい感じが好きな人には「裏切り」だろう。
が、こういうカッコイイ人や大人っぽい人が情けなかったり、ガキっぽかったりする裏切りは好きだ。
好きな人のために必死になって何も見えなくなる盲目的なカップルは周囲に迷惑をかけなければいい。

参照:『ランチタイム・シンデレラ』 小川いら

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Index[Diary]本(読書) 『心の闇』 

『心の闇』

切ない、重いのは相変わらずなんだが、この作家はこういう雰囲気が緩いのが得意なんだろうか。
最近だと『真夜中の匂い』(榊花月名義)がそうだし、はるか昔だと『天使たち』(神谷凪名義)がそうだ。と思ったが思い当たる限り緩いというかゆったりとしている。私の蔵書の中で違うと思えるのは「抱きしめたいシリーズ」と『でも、しょうがない』『耐えがたく甘い季節』だろうか。再読すれば他にも出てくるんだろうけど。あ、あと『アンラッキー』か。
しかしある意味、この作品も他の緩いヤツと同じような緩い感じではない。
友情と恋愛の狭間で揺れていて、恋愛になってもはっきりとしない部分もある。何年か前のBLということばがなかった頃の読み手がいろいろ想像して「キャーキャー」言えていた頃の話に似ている。

那魚は事故で陸上を奪われ、親友の佳之は那魚を好きな気持ちに自分自身が追いつめられ、暁水は鬱積したものを背負っていて、全体的に暗い。
だが前向きな那魚に少しずつ暁水は癒される。暁水が癒されれば佳之が沈み、暁水が傷つけば那魚が傷つく。感情の連鎖に読んでいるほうまで引きずられる。
那魚の癒しに暁水はもちろん、那魚に怪我を負わせた男性も癒されるから不思議だ。読んでいるほうは、それぞれの陰の部分に引きずられて全然浮上できない。
否、癒される原因は解っている。那魚は相手のことを充分に思いやっている。陸上を奪った相手にも、どうしようもない暁水にも。その思いやりが佳之だけには諦めきれないようにしてしまい、辛すぎただけだ。
どこにでも居る少年のように思えたが、憎しみをどこかに忘れてきたかのような、大人というよりも超越した存在のようにも思える。

健気というよりも芯が通っていて、しなやかな那魚には暁水と幸せになって欲しいものだ。そして佳之には早く吹っ切って幸せになってもらいたい。
事故を起こした男のほうは最後に吹っ切れたようなので幸せになるから心配いらないんだろうな。

参照:『心の闇』 日夏塔子

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Index[Diary]本(読書) 『真夜中の匂い』 

『真夜中の匂い』

緩い雰囲気が好きな作品だ。
棚橋は自分の中に生まれた気持ちを否定し、なかなかはっきりとしないし、未明は未明で自分の世界とは違う世界に戸惑っていて、全体的にはっきりとしない。エッチは強引だけど。

臨時講師と生徒という関係なのだが、学校というより夜の街が舞台なんじゃないか、と。棚橋との出会いも夜の街だし、二人の関係が大きく動くきっかけも夜の街だ。その合間に学校での場面も入り、そこで徐々に動いていくという感じ。あと棚橋の家でのシーンもあるが、夜の街の延長だからやっぱり夜の街がポイントなんだろうな、と。夜の街と朝・日常・学校を繋ぐために必要な場所だ。
親の愛情が薄く、愛情というものが曖昧で解らない未明。最初は好奇心で近づくが、自分のほうに振り向かせたくなって必死なのが可愛い。
それに対し、人に裏切られ続けている棚橋の頑なさ、意地悪さが不器用でいい。未明のことを突き放したり、傷つけたりするのにはそれだけの理由があって、大人気ないと思えるかもしれないが、自分が傷つかないことに必死で、逆に大人だから柔軟な対応が出来ないという部分もある。それをくじけず未明が突進することで変っていく微妙な心情の揺れも楽しい。

あと保健医・恩田と友人・ヒロキの関係も興味深い。『真夜中の匂い』内ではたいした進展はない。少しヒロキの背負っているものが重いが、これで一本読みたい。

参照:『真夜中の匂い』 榊花月

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Index[Diary]本(読書) 『迷い猫』 

『迷い猫』

秋の月夜に凌霄の花サンのところでこの『迷い猫』のエントリを読み、確かウチにもあったなと思い出した。
思い出したのは持っているな、ということだけであって、内容はイマイチ思い出せず、気づいたら読んでいた。
で、思い出した。そうだ、これは当時作家買い+絵師買いだった、と。
作家買いをするときりがなくなるので、内容を吟味して買うようにしている。+絵師買い。というのが現状だ。

そんな買った経緯まで思い出したくらいは気に入っているのだが、どうやらこれはたまに忘れた頃に読むのがいいようだ。
好みの話っちゃ好みの話なのだが、読むたびに思うことがある。
意味深なタイトルだな、と。
猫といえばネコを想像して、受けである優留のことを連想するが、読み進めていくうちに優留には猫の「きまぐれさ」というイメージは似合わない気がしてくる。猫というより、手負いの獣、人間に虐待されて人間不審になった犬というほうがしっくりくる。
気まぐれさからいったら日比野のほうが猫に近いし、傍に居る人を欲し、気持ちが迷っている印象がある。
深読みしすぎなんだろうか。

出会い篇というべき表題作よりも「猫の気持ち」のほうが好きだ。
基本的に受けがグルグルと悩むのが好きだ。できれば攻め視点が基本で、受けがグルグル悩んでいるのをどうしたらいいのか、と見守っている感じの話が好きだ。
「猫の気持ち」は攻め視点ではないが、優留が悩んでいるのを見守っている日比野の姿は好きだ。ポイントは大人の余裕を持って見守っているのじゃなく、本当は口出し、手出しをしたくてやきもきしているのに、優留のために見守っているところ。不器用な大人はツボだ。

オヤジモノが読みたいというより年の差モノが読みたくて、尚且つ、どこか抜けたところのある受け+切ない系な気分のときに必要な本。

参照:『迷い猫』 小川いら

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Index[Diary]本(読書) 『夜ごとの花』『花のように愛は降る』 

『夜ごとの花』『花のように愛は降る』

急にふと読みたくなる一作というか、シリーズ。
再会モノが好物で、切ない系が好物なので『夜ごとの花』はかなりツボ。

多くの人に囲まれて、人の中心に居る成尭に対し、自分に自信がない吹雪は自分が傷つくことを恐れ、思い出にしようとした高校時代。だが社会人になっても成秋が目の前に現れると心は騒ぎ出し、今は兄の伊月の恋人だと解っていても成尭に求められれば拒むことができない吹雪。
自分が傷つきたくないからと酷いふり方をしておいて、兄を傷つけたくないと思いつつも求められれば拒まないと書くとなんと都合のいい、自分勝手なヤツなんだろうと思うが、吹雪は高校時代も「今」も悩み苦しんでいる。「今」は兄を思う気持ちと自分の欲望……成尭が好きで、たまらない気持ちと伊月を傷つけたくないという気持ち。比重的には伊月を傷つけたくない気持ちに傾いているだけに、イタイ。
また成尭から逃げ出すのだが、それも「自分勝手」だとは思えず、追いつめられた結果だと受け止められる。不器用な性格だ。
だからと言って関係を求めている成尭が強引で悪者なのかというと、そうじゃなない。
成尭は成尭傷つき悩んでいて、悪者という表現は似合わない。人に囲まれていて、誰からも慕われている、カッコイイ男だと吹雪は思っているようだが、実際は年上の吹雪のことが解らなくて、不安でたまらず、脅迫じみたこともしてしまう。愛し方を間違っているのかもしれないが、真っ直ぐで、イタイと思えてくるところもある。
冷静に考えれば「狡い」と思う場面も多々ある。だが、狡いとは思えない。それは自分が昔つき合っていたのに、なんらかの理由で離れて、何年か経って再会して再び盛り上がるのが好きだから赦せれているだけではないと思いたい。

兄の伊月。『夜ごとの花』ではただ可哀想な役回りで『花のように愛は降る』ではそう簡単に何事も上手くいくわけはない、という役回り。(どんな役回りだ)
ストーリー的には『夜ごとの花』が再会モノの年下攻め属性なのに対し、『花のように愛は降る』はエリート年上攻めに一目惚れされて、引き抜かれた先で再会というシンデレラストーリーっぽい話。
一夜限りの関係がそのまま続くという話はよくあるが、『夜ごとの花』を読んだあとに読むと伊月に幸せになって欲しいと思っているためか特別に思える。
『夜ごとの花』のような切ないイタさはないが、十分に切ない。大人になればそれだけ背負わなければいけないものがあり、それ故に簡単にいかない。葛西はかなり自分の欲望に忠実だが、成尭とのことを引きずっている伊月には戸惑うことが多いようで、難しい。葛西の実直さ、彼の過去、背負っているもの、自分のものだけにならない不安、成尭のこと、吹雪のこと、何より葛西に惹かれる自分の気持ちをもてあまし、悩んでいる伊月が無性に可愛い。
これも再会モノなんだろうけど、やっぱりツボなのは前作の『夜ごとの花』。

参照:『夜ごとの花』 || 『花のように愛は降る』

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Index[Diary]本(読書) 【BL×B.L.TB企画】秋の夜長に読むBL本。 

【BL×B.L.TB企画】秋の夜長に読むBL本。

秋の夜長って……実際一日二十四時間という時間は変らない。冬至まで夜が長くなっていくってだけで、時間は変らないのにな。

さて「秋の夜長に読むBL本。」BL本に限定するとこれが難しい。
菅野彰(二宮悦巳)「毎日晴天シリーズ」キャラ文庫/徳間書店
⇒『毎日晴天!』
⇒『子供は止まらない』
⇒『子供の言い分』
⇒『いそがないで。』
⇒『花屋の二階で』
⇒『子供たちの長い夜』
⇒『僕らがもう大人だとしても』
⇒『花屋の店先で』
⇒『君が幸いと呼ぶ時間』
⇒『明日晴れても』
⇒『夢のころ、夢の町で。』(2004.12予定)
水城せとな「同棲愛」BBC/ビブロス
志水ゆき「LOVE MODEシリーズ」BBC/ビブロス
実際、秋の夜長に読むのはミステリばかりだ。だが「BL」ということで「一粒で二度美味しい」ならぬ、「一シリーズで何度も面白い」という感じの本を挙げてみた。
ひとつのシリーズで何組かのカップリングが出てくるものの中で飽きずに時間を忘れて、一気に読んでしまいたい衝動に駆られるものだ。

まず「毎日晴天シリーズ」今のところ「長男×姉婿(兄嫁)」「連子×末っ子」「花屋×次男」の三組のカップルが居る。これに末っ子の幼馴染の魚屋の恋がからんできて楽しい。
しかし、いわゆる安易な「総ゲイ」ではない。
どいつもこいつもいちゃつきやがってとはならない。
恋愛をするのに理由や理屈は必要ないとは思うが、三組六人にはそれなりに理由があり、必要とし合っている。
また恋愛だけじゃなく家族としての悩み、青春だと思える悩みもあり、ときに切なくなったり、ときには心が温まる。肌寒くなってきたこの季節、ホッとできそうな一シリーズ。

「同棲愛」は固定カップリングというわけではない。人の心は流動する。恋人だったかと思えば友人になったり。切ない中にな感じになるヒトコトがあったり。やっぱり暖かさがあったり。どいつもこいつもワガママなんだけど、妙に共感できるワガママだったり。
人っていいものだな、と思える一冊。
結末には好き嫌いが分かれる一冊。

「LOVE MODE」は固定カップリングだが、ホストが準レギュラーなので現実感がない。
キャラの個性が強い分、アミューズメントパークみたいな楽しさがあり、その分疲労感があるかもしれない。現実感がないものが苦手な人(=BLは一種のファンタジーだとは思っていない人)にはダメなものかもしれない。カップリングが多い分、自分の好みを見つけられる可能性は高い。
BL×B.L.TB企画参加


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Index[Diary]本(読書) 【BL×B.L.TB企画】この世界に足を踏み入れるきっかけになった本 

【BL×B.L.TB企画】この世界に足を踏み入れるきっかけになった本

初めて世界を垣間見た本…魔夜峰央著『パタリロ』(白泉社)1979年
初めて本格的に知った本…アンソロジー『ウイニングラン』(青磁ビブロス)1991-94年
初めてのオリジナル漫画…こだか和麻著『絆』(青磁ビブロス)1992年
初めての小説…松殿典子『花郷の落胤』(青磁ビブロス)1993年

この世界を知ることになったのは今から遡ることX年前。私はアニメ「パタリロ」が好きな子供だった。毎週毎週「誰が殺したクックロビン」が楽しみでならなかった。
その後、小学生になり、魔夜峰央著『パタリロ』(白泉社)を買った。
そこで運命の出会いである。
『パタリロ』を読んだことがある人はもう解るだろう。そう、彼のバンコランである。
今から20年程前、まだいたいけな小学生だった私に全てを理解できるはずもなく、理解したのは一年後だか二年後だった。
ませていたと言うか、なんと言うか。あのときは「ふーん、そう」という妙に冷めた感覚で、あの頃は数年後「腐女子」になって「萌え〜」なんて言っている自分なんて想像もつかなかった。

「BL」そのものはまだこのことばがない頃のことで、12年前、先輩に借りたサイバーフォーミュラのアンソロジー本だった。
定番の一つ「加賀×ハヤト」に見事にはまってアンソロジー本を買い漁り、ビブロス(当時青磁ビブロス)やラポートと出会った。その頃、こだか和麻さんの『絆』が商業で出版された頃で、過激路線というかエロ路線にも手を出し始め、翌年には葵二葉さん・紅三葉さんの『LEVEL-C』が出版され、そこにも手を出す。と言ってもやっぱりパロがメインで、そこで描いている作家(四位広猫さんや極楽院櫻子さんやかんべあきらさん)が描くオリジナルへと手を伸ばし、引き下がれないところまで行くのである。
この頃(小・中・高校)はもっぱら漫画ばかりで、スラムダンクがアニメになり、このパロにもはまった。スラダンでは紺野けい子さんや富士山ひょうたさんにはまった。
だから有名な作品をリアルタイムで読んでいないことが多い。
June作品は特に疎い。メディア化された『間の楔』(©吉原理恵子)は知っていても小説を読んだのは今から四年前だし、「タクミくんシリーズ」(©ごとうしのぶ)も高校に入って(スラダン熱の頃)集め始めたくらいだし、「フジミシリーズ」(©秋月こお)も六年前に初めて読んだ。フジミシリーズより先にワンダーシリーズを集めたような輩だ。外している。

「初めて」の本を四冊も挙げたが、この中で三つも続いている。『パタリロ』と『絆』はもとより、なんだかんだとサイバーもDVD版で出たりしていている。が、もう『パタリロ』は買っていない。
BL×B.L.TB企画参加

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Index[Diary]本(読書) 「ボクの彼氏はどこにいる?」 

「ボクの彼氏はどこにいる?」

ストレートなことばに泣いた。特に、「第二章―生まれてはじめての告白」と「あとがき」でのことばに泣けてきた。
世代的にはちょっと上だが同世代とも言えなくもない方の学生時代の話に、忘れかけていた過去を思い出した。あの頃の教科書のことを思い出したりしたりした。中学時代の教科書は全て処分したし、高校時代の教科書も一部を除いて処分した。高校時代の保健体育の教科書は処分はしていないもの、すぐに取り出せる場所には置いていないために確認は出来ないが、 排他的な記載があったような記憶がある。記憶が曖昧なのは、保健の授業は昼寝の時間だったからだ。
「第二章・カミングアウト―生まれてはじめての告白」での緊張感と興奮と、その描写に泣けてくる。実際に社会の現状として創作物と違って簡単にはいかないものだろう。ふとしたきっかけでポロッと言ってしまうのとは違って、言おうと思って言うのには、時間がある分、色々なことを想像してしまい、勇気もかなり要るだろう。それを言った。そこに感動してしまった。拒絶されることも可能性には含まれていたわけで……。
「あとがき」にあった出版をする 際の苦悩とその苦悩を解消させた人たちのことばに、泣けた。「一人じゃない」……そのことばが一番心に響き、残った。一人じゃないからこそ、悩む。一人じゃないからこそ、楽しめる。一人じゃないからこそ、いろいろあるんだなぁ、と。

関連:『ボクの彼氏はどこにいる?』
このエントリは 2003.05.16(金) に書かれたものです。

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Index[Diary]本(読書) 「ラフカディオ・ハーンの青春」 

「ラフカディオ・ハーンの青春」

はたして現代では「ラフカディオ・ハーン」と「小泉八雲」。どちらが有名なんでしょう。
というのはさておき、柄じゃないものを気まぐれを起こして読んでみたら気分が悪くなったコダです。こんばんは。

『ラフカディオ・ハーンの青春―フランス・アメリカ研究余話―』長いタイトルだ。友人がハーンの研究をしていて、ちょっと興味本位に手にしたのが運のつき(違う)。
薄っぺらい本で、全部で文章は176Pほどなのだが、これが読むのに時間がかかった。
感想というか、なんというか。全体的に、正直、気持ち悪い。
論文や研究結果のレポートというものだと思っていた。パラ見したときも、論文の類っぽかったのだが、読みすすめていくと、違う。内容は確かに論文なのかもしれない。だが文章が明らかに違う。論文やハーンの人となりを紹介するというよりも著者のハーンに対する思いを書き連ねている。言ってしまえば客観性に欠けていて、主観性がことばの端々から溢れている。
普段、論文のやレポートの類を「気持ち悪い」とは滅多に思わないのだが、久々に「気持ち悪い」と思った。描写がリアルとかそう言った意味じゃなく、文章が気持ち悪い。
司馬遼太郎文学の研究で佐高信『司馬遼太郎と藤沢周平』という本を読んだのだが、それに匹敵するくらい、もしくはそれ以上に気持ち悪い。
この『司馬遼太郎と藤沢周平』という本は藤沢周平が人としても作品も優れているといことを切々と書いている。
そのために比較されがちな司馬遼太郎の人間性を非難している。読みすすめていくうちに論文を書く際にあまり必要ではないな、と気づいたのだが、最後まで読んでみようと読んだ。結論、他人を貶めないと「この人は、この作品はすばらしい」と誉めることができない人間性の人が書いたものであった、ということだった。
価値観というものは個人個人にあって、それが絶対じゃない。なのに強く他人をけなすことによって素晴らしさを説いていた。
たとえ氏が書いたことが真実であっても「人間性=作品」ではない。ある一線を越えたレベルの作品というものは、人間性が優れないから作品も悪いとはならないと思う。
そういう意味では人間性と作品を「=」で考えていた氏の考えは気持ち悪さを覚えた。
それ以上に「偏愛」に近い思いが溢れてくる文章だった。

さて「ヘルン先生」と言って通用する人はどれだけ居るのだろう。

関連:『ラフカディオ・ハーンの青春』
※司馬遼太郎、新選組関連の書籍は後日まとめてアップ予定。

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Index[Diary]本(読書) 『熊の場所』 

『熊の場所』

おつむのよろしくないコダです。こんにちわ。

表題作「熊の場所」……猫殺しと"熊"がどこで繋がるんじゃい、と思っていたが、"熊の場所"そのものと繋がるとは、やはりおつむはよろしくない。「恐怖の場所」=「熊の場所」というのも説明部分を読むまで解らなかった。
三作どれもワイドショー的事件を彷彿させる。違うのは現実・リアルの出来事をメディアを通して、表面的な事件概要を知るのと、虚構・フィクションであると解っていて関係者の心情を読むということである。
そして現実の出来事に実感を感じず、作品に現実を超えたリアリズムを、実際にこんな飛んでる考えを持ってるヤツ居たらヤバイだろうと思いつつも、感じることがある。

解らない解らないと言いつつも唯一解ったのは「熊の場所」「ピコーン」の最後の一文と「熊の場所」「バット男」の弱いものへと暴力が向かう図式という当り前のことだけだ。
ということで「ピコーン」のチョコに怒られないように買って、積み上げている本を読もう……。

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Index[Diary]本(読書) 『花ざかりの君たちへ』18巻 

『花ざかりの君たちへ』18巻

[著者]中条比紗也
[版元]白泉社
[発行]2002.07
[ISBN]4-592-17264-7
[備考]画像をクリックするとAmazonにて購入できます。
※bk1はこちらから

前巻がどん底のように暗かったため、今回もそれを全体的に引きずっているのだろう、と思っていたのだが、連載100回目の記念分のストーリーが間に閑話のように入っていたため、単行本は全体的に明るめだった。
佐野が父親とちゃんと話せれたことも大きかったんではないだろうか。

みずきは相変わらずだし…問題は中津。
一応、中津にはバレてないことになっているはずなのに、あんなにマジ告白っていいんだろうかって思ってしまう。
しかも、みずきが佐野のことを好きなのは仕方ないって割り切ってるし…。
てか、やはり男子校に女子高生って不自然だな…。

そしてまたしても次巻が楽しみな終わり方。
兄弟対決になるか、それとも佐野とかぐぴーの対決になるのか……。
佐野の競技人生に大きな転機になることは間違いなし。
※このエントリは 2002年07月21日(日) に書いたものです。

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Index[Diary]本(読書) 『花ざかりの君たちへ』17巻 

『花ざかりの君たちへ』17巻

[著者]中条比紗也
[版元]白泉社
[発行]2002.03
[ISBN]4-592-17263-9
[備考]画像をクリックするとAmazonにて購入できます。
※bk1はこちらから

佐野パパが出てきて、佐野のバックストーリーもいよいよ架橋になってまいりました。
というか、明るいストーリーがどん底のように暗くなっているような気が…。
明るさが売りだったと思ったんですけど…どうやら違ったようですね。
ちょっとした笑いは相変わらず小出しにしていてどん底をそこ沼には変えてませんが…。
みずきと佐野のラブラブ(死語?)には程遠いです。
※このエントリは 2002年03月19日(火) に書いたものです。

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Index[Diary]本(読書) 対象年齢。 

対象年齢。

『闇の愛人』(五百香ノエル)『新本格魔法少女りすか』(西尾維新)読了。
果たしてこの本の対象年齢はいくつなんだろう。
bk1によると『闇の愛人』はレーベル的に「中高生」となっていて、『新本格魔法少女りすか』は「一般」となっている。
どう読んでも逆な気がしてきた。

『闇の愛人』はBLに多くあるSMとは違う。官能小説や文学にあるSMの関係。BLで好まれる鬼畜と言うより、猟奇。そんな内容だ。これを中高生向きとするには無理がある。
『新本格魔法少女りすか』はもうオバチャン若い子の日本語が解りませんって感じの会話で一般人向けとは思えない。狙って、りすかのセリフで変な文法を使っているのは充分に理解できる。だが、内容が解らなくなる。正直、読むのがしんどかった。

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Index[Diary]本(読書) JDC第二期の読み方の謎。 

JDC第二期の読み方の謎。

『カーニバル』での読者式、作者式にはやはり意味があった。
当り前のことだが、あの読み方に「阿呆式」というものがあっては成り立たない。

非常によくできた構成だった。『カーニバル・イヴ』は勿論のこと『カーニバル』も『カーニバル・デイ』の長い長いプロローグに過ぎず、長すぎて設定や事件を忘れそうになった。
『カーニバル』のエピソードの並びや読み方の凝り具合にものすごく意味があると思っていたのだが、『カーニバル・デイ』の終盤にやっと解明する。そこまで凝る必要があったのかとも思ったが。

さて、阿呆式というものを考えてみた。
実に簡単。一度ずつ作者式と読者式で読み、さっさと『カーニバル・デイ』を読むこと。これに尽きる。

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Index[Diary]本(読書) 『カーニバル』の読み方 

『カーニバル』の読み方

有難いのか有難くないのか。
迷惑なのか迷惑じゃないのか。
親切なのか親切じゃないのか。
不親切なのか不親切じゃないのか。
必要なのか必要じゃないのか。
不要なのか不要じゃないのか。
それは解らない。
それが解らない。

『カーニバル』(清涼院流水著)には下記のような案内書がある。
本書『カーニバル』では、26のエピソードが、意図的に順番を入れ替えて並べられています。素直に前のページから呼んでいくのも、目次を頼りに本来の順番を辿って読むのも可能です。
I前のページから順に読む。……「読者式」
II事件の順番を辿って読む。……「作者式」
どちらの読み方を選択するかによって、驚き方が異なるように設計されています。また、物語の内容と順番が、謎解きの終盤において、ある重要な意味を持ちます。最終ページまで読めば結末は同じですが、読んでいる時に、より刺激を受ける(と予想される)のは素直に読み進む「読者式」であることを初めにお断りしておきます。刺激に弱い読者の方は迷わず「作者式」を選択されますよう、どうかご注意願います。
とりあえず「読者式」で読み、その後「作者式」で読んでみた。
印象云々よりも、刺激云々よりも、まず欲しい読み方があった。

「刺激に弱い方」ではなく「頭の弱い方」の読み方が欲しい。
切実に、頭が弱い当方でも混乱なく読める読み方が欲しい。
なぜ刺激に弱い方の読み方があって、頭の弱い方の読み方がないのか。
阿呆なのでお手上げです。

まったく有難いのか、迷惑なのか、親切なのか、不親切なのか、必要なのか、不要なのか、解らないじゃないか。

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Index[Diary]本(読書) 二つのJDC 

二つのJDC

『ダブルダウン勘繰郎』(西尾維新)と『九十九十九』(舞城王太郎)。
どちらも清涼院流水氏のJDCシリーズに挑戦した作品だと思い、拝読した。
だが、前提は間違っていた。
『ダブルダウン勘繰郎』はJDCシリーズの世界観に挑戦し、『九十九十九』は清涼院流水の作風、いわゆる「流水大説」に挑戦しているものだった。
『ダブルダウン勘繰郎』は楽しく、たいして頭を使わずに楽しめたのだが、『九十九十九』はそうもいかなかった。何しろ、舞城王太郎氏の作風自体、頭を使う。だがそれに「流水大説」が加わる。どこまでが作中の現実なのか、どこからが作中内の創作なのか区別がつきかねる。

本家JDCは「濁暑院溜水」の書く書内現実を書いた小説が存在し、その小説が密接に関わりあっていて、作中現実の事実と書内現実における虚構の違い、矛盾を確かめながら頭に入れていかないといけない。つまり流し読みはできない。
舞城氏の作品はJDCシリーズが書籍として登場する。「清涼院流水」もJDCの作者として登場する。だがそれとは別に本家では「濁暑院溜水」の役割なのだが、舞城氏の作品では「もう一人の清涼院流水」が存在していて、作品が出てくる。作中現実だと思っていたことがほとんどが書内現実であり、作中現実の虚構であるという造りで、ほとんどが虚構なので矛盾を確かめる必要はないが、本家と同じくらい気を抜けない、頭を使う。もはやどれがすばらしいという次元じゃない気がする。

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About
元が腐っているのでナチュラに腐ったことをほざいてるかもしれないブログ。
原作厨というか原作至上主義。ネタバレデフォ。単行本派やネタバレ嫌な人は回れ右のブラウザバックかタブ閉じてこのブログの存在を記憶から抹殺。
米ドラは本国放送した時点(寧ろスポイラー出た時点)でネタ解禁だと思っているし、連載漫画は本誌が発売された時点でネタ解禁だと思っているので日本放送だったり単行本派の人には優しくないブログ。
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